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動作改善から考える整形外科領域のフットケア②

足部

2024.01.26

2月10日 = フットケアの日  だそうです。

 

前回に続き、整形外科領域のフットケアについて述べたいと思います。

 

今回は扁平足なのに小趾側に出現する胼胝について。扁平足といえば、母趾側に荷重が集中している状態が思い浮かびます。

母趾球や母趾の側面に皮膚の硬化を認める症例にはよく遭遇することでしょう。

しかし、中には扁平足なのに小趾球や第五中足骨底面に皮膚の硬化を認め、歩行中の痛みを訴える方にいらっしゃいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

扁平足なのに小趾側に胼胝?_胼胝ができるのは荷重が集中しているからではないのか?辻褄が合いません・・・

 

もう一度足の機能解剖をおさらいしましょう!!

 

①ショパール/リスフラン関節の外転
距骨下関節が回内し、内側アーチが低下することで(母趾での荷重が強調された状態)、ショパール/リスフランの両関節は外転方向に動きます。すると荷重のたびに中足部〜前足部は外転方向に偏位するので、靴との摩擦で小趾側面に胼胝が発生するケースや、小趾球に胼胝を形成するなど扁平足であっても小趾側での皮膚トラブルは発生します。

 

 

②第5中足骨のマルアライメント
扁平足である足部の多くは第五中足骨の不安定性をはじめとする小趾側での荷重機能が低下しているケースが多い。外側アーチが低下することで、第五中足骨が背屈位となるため、第五中足骨底部に圧集中を認めるケースでは胼胝を形成しやすいでしょう。

 

 

扁平足には一見関係の無い小趾側にも皮膚トラブルは発生しますが、原因がわかっていれば対処はシンプルです。
両者に共通するのは如何に小趾側での荷重を安定させるか。④PADの使用がキーポイントです。2〜1.5mmの使用が適当ですね。

 

 

①に対しては母趾荷重を軽減させて、距骨下関節回内を抑えることで、ショパール/リスフラン関節外転の動きをコントロール

②に対しては第5中足骨の不安定性を補い、小趾側での荷重安定とマルアライメントの補正する

 

上記で対処が可能です。

 

 

以上、扁平足と小趾側に発生する胼胝についてでした。

足部の機能解剖と動作の関連から起こる皮膚トラブルについて再考してみました。皆さんの臨床のヒントになれば幸いです。

 

 

理学療法士 芋川雄樹

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