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動作改善から考える整形外科領域のフットケア①

足部

2024.01.25

2月10日 = フットケアの日  だそうです。

 

ご無沙汰しています。mysole協会の芋川です。

 

今回は整形外科領域のフットケアに活用するmysoleについて。

糖尿病による末梢神経障害や循環器疾患による血流障害などが主にフットケアの対象になりますが、我々の主戦場は整形外科ですので今回は整形外科疾患と皮膚トラブルについての関係について述べたいと思います。

 

まず代表的な第2−4MP関節付近に発生する通称【開帳ダコ】。

外反母趾やモートン病との関連性も強く、横アーチが低下することで、開帳足となりMP関節付近に高圧領域が生じる事で発生する皮膚の硬化です。

横アーチの低下による前足部不安定性はMst以降急激に母趾に対して外反方向へのストレスを発生させ、外反母趾の原因となりやすく、変形の進んだ外反母趾患者の半数以上はこの開帳ダコがセットになっている印象です。

 

 

更にモートン病との関連も。

モートン病は第3・4趾間に発症しやすく、同部位の底側趾神経は近接する神経より太く可動性が悪いため損傷を受けやすい。加えて足趾の伸展により、こすれ摩擦する事で中足趾節間滑液包(脂肪体)に炎症が生じやすく、底側へ膨隆し底側趾神経を圧迫する事で発症すると言われています。(要はデリケートゾーンであると言うこと)ヒール靴がモートン病を誘発する事が頷けます。

興味深いのは足底の脂肪組織は踵部と中足部とで若干性質が異なり、踵部は荷重に対して変形しにくく、中足部では荷重に対して変形しやすい特徴を有しているようです。表面の皮膚が硬化すれば深層の軟部組織の可動性にも影響が出ることが想定され、モートン病発症の原因にもなり得るでしょう。

 

これらの症状に対して如何にmysoleで対応するか。

 

横アーチを支持すること、内蔵されるラバーの厚みを考慮することが重要です。

 

mysoleには3つの横アーチパッドがあり、用途によって使い分けがで可能です。

 

足底に対し支持接触面積を狭め、足底腱膜に対し効率的に緊張を与えるもの ⑤

足底に対し支持接触面積を広げ、広範囲に横アーチを支持するもの ⑥

前足部横アーチから中足部横アーチにかけて広範囲に支持することで、足部形態の補正に働きかけるもの ⑦ 

など様々です。開帳足は前足部回内を伴うため、第1列の支持も併用するべきでしょう。

 

また、内臓されるラバー(中芯=衝撃の吸収と反発性能を併せ持つ歩行専用ラバー)の厚みを増やすことで、皮膚硬化部分への衝撃を低減し、患部に対して働きかけることも可能です。

 

以上、開帳ダコに対する対処例でした。次回も整形外科領域のフットケア② 【扁平足と小趾側の胼胝】です。

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