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足部のみかたシリーズ④~荷重点位置について2~

足部

2020.01.31

さて、前回までのお話では、足の形と荷重点位置について述べてきました。

前回の『足部のみかたシリーズ③~荷重点位置について1~』もご覧ください

 

今回は、荷重点位置について、もう少し詳しくお話します。

 

足は状況に応じて、その形を変えて対応するという柔軟な身体部位の一つです。

 

特に荷重した状態で変化しやすく、これは荷重点位置との関連性が深いと言えます。

 

例えば小趾側に多く荷重する、つまり荷重点位置が足底の外側(小趾側荷重)にある時には、内側の縦アーチが高くなり、足は強固な状態にあります。

 

 

これは、比較的強い負荷がかかる際に有効な硬さであり、足の形を維持したまま、上体を支えるのに適しています。

 

ですから、重量挙げなどの強い鉛直方向への負荷に耐える際は、小趾側荷重を意識すると効率の良い下肢機能を発揮するきっかけとなり、重量に耐えやすくなります。

 

また、ストップなど、急激にスピードダウンをする際には母趾側荷重よりも小趾側荷重の方が有効であると思われます。

 

 

逆に母趾側荷重は、駆動する際には重要な役割を果たしており、走る跳ぶといった強い推進力を得る際に必要な機能です。

 

母趾側荷重は、足部の運動学的には回内運動を伴うことが多く、足部が回内位というのは、足が柔軟な状態を意味します。

 

しかしながら回内位を多用することによる障害も実は多く、外反母趾や扁平足から有痛性外脛骨、足底腱膜炎という慢性障害につながることも多々あります。

 

よって回内運動も、とても重要な機能ですが、やはり満遍なく動かせる足というのが重要です。

 

 

つまりは、小趾⇔母趾への円滑な切り替え運動により、身体運動に効率良く働きかけることができます。

 

スポーツ動作などの指導では、しきりに母趾側荷重つまり母趾球に載せて・・・

ということを良く耳にしますが、時と場合によってはこれが慢性障害に繋がることも考えなければなりません。

 

 

 理学療法士 山口剛司


足部のみかたシリーズは『足部』からご覧いただけます

 

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