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扁平回内足への対応 PADでのコントロール

足部

2021.06.03

扁平回内足について

 

今回は、臨床でよく見られる扁平回内足についての考えてみましょう。

 

臨床において、疼痛などの諸問題に対する評価としては、まず姿勢や動作を観察することから始まります。

 

観察項目は、今までに述べた4つの項目に従って観察すると良いのですが、やはり観察項目やその捉え方は、セラピストの経験値によって大きく差が出てしまうこととは、否定できません。

 

常に注意深く観察することが重要です。

 

例えば、立位姿勢においても、左右が真逆のアライメントを呈している場合が実は多くみられ、それを見落としているケースがあります。

 

また、両側とも回内位を呈しているのはわかっていても、その程度がわかるか否かという点でも観察力が必要となります。

 

1のように、足部を後方から観察すると、足部に影響を及ぼしやすい後足部のアライメント(leg heel angle)がわかり、回内位や回内運動の程度が観察しやすいです。

 

診察所見では、Too many toes signという項目があるが、これは、後方から観察した際に、足趾が目視できしまうかどうかで、回内の指標になることを示しています。

 

これは、正確に角度を測定したわけではないが、足部が回内位を強めると、前足部の回内運動も連鎖して生じることで、第3趾まで目視できる状態を陽性(+)と示します。

 

図の足部は、具体的には足部回内がショパール関節で強く起こり、足部が軽度外転しなければ、足趾が見えることはありません。

 

ショパール関節回内と外転が伴い、前足部が外側に開いた状態を呈することが特徴です。

 

また重要な点は、このアライメントが立位姿勢では認めるが、片脚立位になると筋活動によって、このアライメントが見事に補正される場合もあり、変化する可能性があるということです。

 

つまりは、筋肉の見事なまでの運動機能により、足底圧の位置をコントロールし、足部形状にも変化をもたらすことができるということです。このようなケースから、学べる点はやはり筋肉への刺激をいかに行うかが重要な視点となります。

 

パッドでのアプローチとしては、様々なポイントがありますが、やはり①と④のパッドをいかに配置するかで、安定性を獲得できるかです。

 

つまり、小趾側荷重機能の安定化が絶対的に必要なケースになるので、この機能を獲得するためにあるゆる手段を実施すべきです。

 

回外方向への可動性、回外筋の筋活動の賦活、小趾側荷重のための第5中足骨を中心とした外側支持組織の調整、さらにはマイソールパッドでの荷重感覚の入力とアライメントコントロールといったところです。

 

是非、試してみて頂きたいと思います。

 

 

 

 


理学療法士:山口 剛司

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