Columnマイソール協会コラム
FPI-6
今回のコラムでは足部・足関節の評価方法であるFPI–6について紹介していきます。
FPI–6は足部形態を視診・触診によって、正常足、回内足、回外足に分類する評価方法であり、様々な報告からも信頼性の高い評価方法とされています。
FPI–6では、自然な立位姿勢にて6項目の足部評価を行います。各項目の結果を2点から–2点までの範囲で点数化し、0点は正常足、2点は回内足、−2点は回外足の可能性を示唆します。6項目の合計点が0点から5点は正常足、5点から9点は回内足、10点以上では著名な回内足と判断し、−1点から−4点は回外足、−5点以上は著名な回外足となります。
具体的な評価内容は以下にまとめます。
- 距骨頭の触診
距骨頭の内外側を触診し、その触れ方を確認する。
−2点:外側は触診可能だが、内側は困難
−1点:外側は触診可能だが、内側はわずかに可能な程度
0点:内外側ともに触診可能
1点:内側は触診可能だが、外側はわずかに可能な程度
2点:内側は触診可能だが、外側は困難
- 外果上下方の曲線
外果上下方の曲線を視診する
―2点:外果下部が平坦、もしくは凸型
―1点:外果下部の曲線は凹型だが、上部よりも平坦に近い/凹型が浅い
0点:外果上下の曲線がほぼ同様な凹型
1点:外果下部の曲線が、上部よりもより凹型
2点:外果下部の曲線が上部よりも著しく凹型
- 踵骨の前額面上の位置
踵骨の内外側傾斜を視診する。
―2点:踵骨が約5°以上の内がえし位(内反位)
―1点:踵骨が約5°以内の内がえし位(内反位)
0点:踵骨が垂直
1点:踵骨が約5°以内の外がえし位(外反位)
2点:踵骨が約5°以上の外がえし位(外反位)
- 距舟関節の凹凸
距舟関節部分を視診し、凹凸を確認する
―2点:距舟関節部分が著名に凹型
―1点:距舟関節部分がわずかに、しかし確実に凹型
0点:距舟関節部分は平坦
1点:距舟関節部分がわずかに凸型
2点:距舟関節部分が著名に凸型
- 内側縦アーチの形態・適合性
アーチの高さと形態を視診する
―2点:アーチは高く、後方の傾斜が急な角度
―1点:アーチは中等度に高く、後方の傾斜がわずかに急な角度
0点:アーチの高さは普通で、アーチ前後の傾斜は等しい
1点:アーチは低く、中心部分がいくぶん平坦化している
2点:アーチは非常に低く、中心部分が重度に平坦化しており、床と接する
- 後足部に対する前足部の内外転
踵部長軸の後方から視診し、前足部の見え方を確認する(足部全体の長軸ではない)
―2点:外側の足趾は見えないが、内側の足趾ははっきりと見える
―1点:外側の足趾よりも、内側の足趾の方がよりはっきりと見える
0点:内側と外側の足趾が同等に見える
1点:内側の足趾よりも、外側の足趾の方がよりはっきりと見える
2点:内側の足趾は見えないが、外側の足趾ははっきりと見える
以上がFPI–6の評価項目になります。
今回、FPI–6をご紹介した理由は、「スタティックアライメントの評価」が非常に重要だからです。
スタティックアライメントの崩れはその後、動作を加えた際にさらにその崩れを助長していく傾向が強い印象です。
例えばスタティックアライメントの評価結果が回内足(扁平足)であった場合、その後動作を加えた評価をした際に、回外足(ハイアーチ)に移行するケースは稀です。この場合、おそらくさらに回内が強くなり、母趾側への荷重が強調されていくケースが多いでしょう。(そうではないケースももちろんあります!!!)
私も日々、足部評価を行う中で思考がまとまらないときは、スタティックアライメントの評価に立ち返り、思考をまとめるという作業を行います。
それくらい足部のスタティックアライメントの評価は重要であると思っています。
そして、足部評価を行うツールは様々ありますが、FPI–6は足部を総合的に評価できるツールだと思っています。
日々、臨床を行う中で思うように足部の評価ができていない方も多いのではないでしょうか?
「足部評価は難しくて苦手だな...」という方でもFPI–6のような分かりやすい評価ツールを使用することによって、少しずつ足部の評価に慣れて、興味を持っていただけると嬉しいです!!
ぜひ、日々の臨床に取り入れてみてください。
mysole協会 鷲崎翔太