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扁平足と骨盤底筋の関係

足部

2022.12.10

『骨盤底筋』

 

最近耳にする機会が増えました。

過度な骨盤前傾、後傾を伴う状態は、腰痛や女性に多い尿もれの原因になります。

骨盤の肢位が慢性的に崩れると、内臓を支えたり、おしっこを我慢したり、腹圧をコントロールする「骨盤底筋」の機能が低下します。

骨盤底筋の機能低下の原因は、出産やホルモンバランスの崩れ等の直接的原因と、アライメントの崩れから骨盤の肢位が変化し、不良姿勢が続く事による間接的原因に大別出来ます。

 

後者の場合、『腹圧』というお腹の圧力が関係します。

腹部には内臓を納めている空間があり、これを腹腔と言います。主に腹腔を構成する筋肉として、骨盤底筋、腹横筋、多裂筋と腹腔と胸腔を分ける横隔膜があります。これらの筋肉は直接的には繋がっていませんが、腹膜という膜の繊維で筋肉は連結しています。

腹圧が高い状態とは、腹腔を構成する筋肉に対して均等に圧がかかっていることです。これに対して、反り腰や円背が強まると圧が分散せず偏りが生じてしまい腹圧が低下します。

 

例えば、骨盤が過度に前傾すると、腰椎の前彎が強まり、反り腰の状態になります。すると、腹部にある腹横筋が伸ばされ、背部にある多裂筋は縮み続けることで伸縮する機能が低下します。更に、腹腔内の臓器が下降し、圧迫され続けた骨盤底筋も伸縮性を失い、機能低下をきたします。

以上の様に、骨盤底筋の機能を維持させる為には良姿勢を保持させる事が重要です。

足部の肢位が上行性に全身へ波及する事は『運動連鎖』と知られています。

一般的に内股やX脚と表現される立位姿勢では、扁平足に伴い、下肢が内側に捻れ、骨盤前傾位になりやすい。

姿勢不良の原因は局所ばかりにあるわけではなく、運動連鎖によって一見関係のなさそうな部位に潜んでいるケースも多々あるのです。

 

局所に対するトレーニングももちろん重要ですが、足元からの遠隔操作が姿勢改善に有効なケースもありますので、インソールという選択肢を忘れてはいけません。

 

 

参考書籍)嶋田智明大峯三郎 2011 運動連鎖〜リンクする身体 文光堂

 


理学療法士 井上雄太

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