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マイソール協会コラム
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靴へのマイソールフィッティング 第2弾

mysole®

2022.09.21

今回は靴へのマイソールフィッティングのお話第二弾になります。

 

マイソールは、動作評価を重要視したインソールであり、形状は評価が深堀りできているほど、良いものに仕上がるようになっています。しかしながら、いくら的確な評価ができて、素晴らしい製品に仕上がっても、挿入する靴によって思うような効果が得られないことや逆に症状が悪化する場合も少なくありません。

前回は4つのポイントについて説明いたしましたが、今回は詳細に解説いたします。

 

靴とインソールのサイズ 

※靴よりも少し小さめにする。特異な形状の靴の場合は必ずトレースを取る

 これは靴の中に入れるときに重要なポイントです。評価と採型をする際は必ずインソールを使用する靴を確認してください。私は、靴のサイズと特にワイズについて細かく確認します。また、靴によってはつま先の部分が通常ではスマートになっていく形状が、幅広タイプの靴などは、つま先の部分を大きく広げている靴など特異な形状を持った靴があります。この場合は、ノーマルの靴と特異な靴では、一つの形しかないインソールでは、すべてをカバーできません。そのため、本製品にはこの靴とこの靴には使用可能ですが、この靴は形状が違うため使用できません・・・というようなことをはっきりお伝えするようにしています。また、スポーツのスパイクなどは、スニーカーと比べると表記サイズより1㎝程度の差があります。これはスパイクの規格とスニーカーでは違うため、サイズだけ聞いてもうまく合致しないことが多くあります。そのため、必ずスパイクなどの特殊形状の靴は、お持ちいただいて確認することをお勧めします。

 

 

ンソールの厚み 

※元のインソールとできる限り合わせる。中芯の厚み変更を利用する

分厚くして、サイズがきつくなると余計に痛くなる可能性あり

ベースは悩んだらスリムに 

※靴の幅を広げてしまうようなベースサイズは×

 

 これもスパイクやランニングシューズに多く見られますが、元の中敷きが薄いことがあります。この場合は、マイソールの方がどうしても分厚く設計されているため、フィッティング時にサイズがきつく感じることがあります。これは、障害にも繋がるためかなり注意が必要です。また、芯材であるベース幅のカットが重要でこれはスリムな靴の形状に対して有効な手段です。近年の靴は、後足部をスリムに前足部はゆとりある形状にしている傾向にあり、とても高機能で快適な靴が多くなってきました。これによりインソールの形状にも一工夫が必要で、インソールによって元の靴の幅を広げてしまうような形状は望ましくありません。この要因としては、ベースである芯材の幅によって生じることがほとんどです。私はインソールが靴の中で動かない程度にできる限りスリムに設計することを心がけています。

 

 

パッドはなるべく小さく ※足底への刺激を明確にする

パッドは大きくすればよいという感覚はあまり好ましくない

 

これは最近、意識している項目です。マイソールに関してはSSパッドからLパッドまでがありますが、私は、21㎝~27㎝まではSパッドを主に使用します。中には、25.5でもMパッドを使用する場合もありますが、これは特異な足の場合にのみです。意外とSパッドで賄える範囲が広いと思うかもしれませんが、実際は23㎝前後ではSパッドが少し大きく思えるくらいの時も多々あります。キーワードは最小限の支えをつくることです。これを考えるとできる限り小さいパッドで、支えをつくり感覚入力を行って動作変化をもたらす位置が最も良いパッド配置なのです。パッドの間隔はできる限り開いている方が良いのと、少なくて小さいパッドは軽量化が図れるなどのメリットもあります。唯一の難点は、小さいパッドほど、接触面積が少なくなる分、ピンポイントでのパッド配置スキルが求められるということです。これには、やはり足底の細かな触診と視診が必要になることは言うまでもありません。

 

理学療法士 山口剛司

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