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靴の寿命はどれくらい?

その他

2022.09.16

靴の寿命はどれくらい?

 

 

当然の事ですが靴は使い続けることで消耗していき、靴の持つ本来の機能が十分に発揮できなくなっていきます。具体的には足元を安定させるグリップ力や衝撃を緩和するクッション性などが劣化していきます。この様な靴を履き続けると体に負担が掛かり、痛めてしまうリスクが高まります。その為、靴の寿命を見極めて適切なタイミングで買い替えていく必要があります。では靴の寿命はどう確認すれば良いのでしょうか?

 

ミッドソール・アウターソールを確認する

靴の最底に位置するアウターソールとインソールの間にはミッドソールという部品が組み込まれております。ミッドソールに皺やヒビが生じている場合、靴が劣化しているサインです。アウターソールの劣化の確認は容易です。踵の摩耗を確認すれば一目瞭然です。

 

 ミッドソールの割れ

 

 アウターソールの摩耗

 

経年劣化にも注意

靴は履き続ける事で痛んでいきますが、実は履かずに大事に箱にしまっていても経年劣化で寿命を迎えてしまっている場合があります。以前のコラムでお伝えした大気中の水分による加水分解が原因です。例えどんなに大事に保管していても靴は劣化していきます。一般的な靴の耐久性能は34年程度とされていますのでそれを目安にすると良いかもしれません。

 

 

冠婚葬祭などの時にしか履かない靴で良く見られる靴の破損

 

アウターソールが劣化すると

靴の最底面に位置するアウターソールはグリップ力関わる大事な部品です。靴の部品の中で最も消耗しやすく劣化の顕著な部品です。アウターソールの劣化はグリップ力の低下を意味し、歩行中に滑り易くなるという事は姿勢の乱れにも繋がります。特定の部分だけが擦り減っている、擦り減り過ぎてミッドソールが露出している場合は靴を替える目安です。気に入った靴なので修理して履き続ける方もおられますが他の部品も同様に劣化していますので新たに買い替えることをお勧め致します。

 

ミッドソールが劣化すると

ミッドソールは歩行時の衝撃吸収性に関わる部品です。この部品が劣化すると踵接地時の衝撃が緩和できず膝関節などに大きな負担がかかります。長年、履き続けるとミッドソールに皺が現れます。この皺こそが劣化のサインなので時々、チェックして下さい。

また、皺が現れていなくても踵が硬く感じる場合は劣化している可能性が高いので買い替えを検討して下さい。

 

 

 ミッドソールに現れた皺

 

靴の寿命を少しでも伸ばす方法

気に入った靴や履き易い靴はできるだけ長く履き続けたいものです。靴の劣化の原因で最も大きいのは摩耗ですが水分が影響する劣化も割と大きな割合を占めております。靴に影響する水分は雨だけではありません。最も影響するのは汗です。成人の足の裏からの発汗量は両足で200㎖くらいです。靴下である程度は吸収できますがそれでもかなりの量はインソールやアッパーに吸収されてしまいます。靴を長持ちさせる秘訣はこの水分のコントロールにあります。水分は性質上、下に溜まっていきます。靴の中で下というとインソールとミッドソールの間になります。なので靴を脱いだ時にはインソールを取り外し、風通しの良い場所で乾かすことが非常に有効です。ただし、直射日光は色落ちや劣化の原因となりますので日陰に保管して下さい。また毎日同じ靴を履くと水分が抜けきらない状態が続きますので劣化が早くなります。2・3足をローテーションしながら履く事で靴がしっかり渇き、より良い状態で使い続けられます。どんなに大事に履いてもいつかは破損してしまいますがアッパーに付着した泥をブラシで落としたり、クリームで定期的に保護すると手間をかけた分だけ長持ちします。愛着のある靴には是非、愛情を注いで下さい。

 

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