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扁平回内足をシューズでコントロールする方法

足部

2022.07.08

今回は特に足のトラブルが多い扁平回内足の方に対するシューズの選択方法についてお話ししていきたいと思います。扁平回内足といえば、踵が内側に傾き、土踏まずがベタッと潰れた状態を指しますが、実際にこの足部のアライメントは足部のみならず、膝、股関節と上行性に身体の様々な部位に弊害を生じやすい形状になります。

何が問題かというと、足部の本来備わっている着地時のたわみが少なくなってしまいます。たわみとは、物理的に圧がかかった時に形状を変えて衝撃を吸収する機能なのですが、扁平足ではこの機能が低下してきます。

また、足底の内側(母趾球)ばかりに体重が乗りやすくなる傾向があります。

足部の機能が保たれているうちはまだ良いのですが、外反母趾や開張足といった骨構造が崩れてきた際に支えが効かなくなるため、膝や股関節といった隣接する部位で代償するようになり、その関節に不良姿勢で負荷がかかりすぎると問題が発生してしまいます。

すでに扁平足だとしてもこのような状況に陥る前に、足元の環境から正しく見直していくと足の機能低下や骨構造の破綻を未然に防ぐことができます。

まずは基本に戻って、正しいシューズの履き方から実践できるといいですね。

 

そこで今回は扁平回内足に対してのシューズの選択方法を4つお伝えしていきます。

なかなか全てが揃っているシューズはありませんが、シューズを選ぶ際のヒントとして役立てていただければと思います。

 

 

 

  1. 1. しっかりとしたヒールカウンターまず第一にシューズの機能としてはヒールカウンターがとても重要です。

回内足は踵骨が内側へ倒れている状態なので、踵を正中に保つためにしっかりとしたヒールカウンターの選択が必要になります。この部分がフニャフニャの柔らかい踵のシューズでは踵骨のアライメントを補正することができず、踵骨が内側に倒れたままの状態になりますので、ヒールのしっかりしたものを選択しましょう。

 

 

2. ヒール外側のミッドソールが柔らかい素材通常の歩行周期では、踵接地は踵の外側から地面にコンタクトします。この踵外側に位置するミッドソールの硬さによって歩容が変わってきます。

ヒール外側が柔らかいことによって、着地の瞬間沈み込むため、踵接地の時間が延長されます。

扁平回内足の方の歩容の特徴は、足関節の底背屈運動が少なく、すり足で歩く方が多いです。また、踵接地に関しては、外側よりも内側接地している方が多く、そのまま母趾方向に体重が乗っていきます。

扁平回内足はそもそも土踏まずが内側に潰れてしまっているため、この状態で歩き続けると外反母趾が進行したり、足底腱膜炎の要因になります。

なので、扁平回内足に対してヒール外側へ荷重を誘導したい場合は、外側ミッドソールが柔らかいクッション性のあるシューズを選択してみてください。

 

 

  1. 3. ヒール内側のミッドソールが硬い素材&シャンクヒール外側の柔らかい素材に対して、内側は硬い素材を選択します。扁平回内足は多くが内側荷重になりやすいので、これ以上内側に倒れないようにする目的で硬い素材を選択します。

また、シューズ底中央にあるシャンクが捻じれの制動に機能してくれるため、回内外方向の動きをコントロールしてくれます。

 このようにシャンクの有無で捻じれの制動力が全く変わってきます。特に長距離歩くと足底や下腿が疲労しやすい方はこの機能が重要になります。

 

 

  1. 4. 内側フレアヒール内側フレアヒールがあることで内側への動きや傾きを制動してくれる役割があります。

 

 

以上、4つのポイントがシューズでできる扁平回内足に対しての役割になります。

足のトラブルで困っている方やシューズ選びで悩まれている方に是非、今回のポイントを参考にしてみてください。

 

専門的な話になりますが、

mysole®︎は足底の荷重点を変えることに特化したインソールです。

苦手とする足底の荷重点や身体の動きを姿勢、動作評価から導き出し、特殊なPADを使って動きを誘導することで、弱点を克服していくインソールです。

なので、インソールの効果を最大限引き出すためにもインソールとシューズの機能が一致していることが非常に大事になります。

シューズの機能を見極める力というのも重要になってきますので、身体評価と合わせてシューズの機能も確かめてみてください。

 

 

理学療法士 井上雄太

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