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ハイアーチに対するテーピングについて

足部

2022.01.28

前回、『ハイアーチと後脛骨筋について』ご説明させて頂きました。

 

今回は、ハイアーチに対するテーピングについて説明します。

 

ハイアーチの状態といっても様々ではありますが、基本的には内側縦アーチがしっかりとした形で形成され、これのみでなく横アーチ、外側縦アーチも高い状態であり、足の運動方向が外側へ頻繁に動く、もしくは常に小趾側荷重が強調されているなどの動作所見があります。

 

特に、ハイアーチで、荷重によってもアーチ構造に変化が見られず、足部回内回外の運動が制限されている場合があり、これはアプローチに難渋することを多く経験します。

 

アプローチの考え方としては、大変シンプルで、『回内方向に可動性を作る』ことが原則となります。

 

ハイアーチのタイプもいくつかありますが、足部全体を回内方向に操作したい場合は、写真のように、第一中足骨からテープを開始し、反対側の外側方向に向かってテープのテンションをかけて、踵外側まで貼付します。

 

こうすることで、テープの張力が足底皮膚を介して、第一中足骨を底面の方向に引き下げ、回内方向への誘導ができます。

 

次に踵外側に貼ったテープを踵底面と外果の中央くらいのラインを取りアキレス腱を通過して下腿に螺旋的に巻き付ける(図参照)ように貼付します。

 

これは、後足部、特に距骨下関節に対して回内方向への誘導ができます。

 

このようにして一本のテープをうまく利用して、前足部から後足部まで回内方向へと誘導することができるため、臨床では、少しの感覚入力をしたい際に有効な手段です。

 

テープの取り扱いについては、種類によって様々ですが、本稿での伸縮テープを使用する際は、引っ張り過ぎないこと、テープの緊張を一定に保って貼ること、しわを作らないこと、が原則です。

どれも沢山貼らないとうまくできないかもしれませんが、一度試してみてください。

 

 


理学療法士 山口剛司

 

 

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