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足部のみかたシリーズ③ ~荷重点位置について1~

足部

2019.12.11

 

 

足の形は、多数の骨といくつかの特殊な関節により、実に複雑な構造となっています。

 

この複雑な構造だからこそ、多様な形に変化しうる機能を有しており、あらゆる地面の形状や硬さに柔軟に対応することができます。

 

しかしながら、この足の運動機能については個体差が大きいのも特徴です。

個体差とは、つまりは足部の関節可動域や筋力の違いです。

 

足の評価で有名なのは、『足の各アーチの状態がどうであるか?』で判断することがあります。

意外かもしれませんが、私はこのアーチの有無のみで、足の良し悪しを判断することはありません。

むしろアーチだけで判断すること自体が、ナンセンスなことだということを色んなセミナーで公言してきました。

 

前述したように、足は地面のあらゆる形状に対して、柔軟に対応するという特徴があるので、時には固くしたり柔らかくしたり、アーチを高めたり低めたり、つまり環境によって様々な変化ができる優れた部位と言えます。

 

このことから、例えばアーチを敢えて下げて、扁平回内足を作ることで接地面積を拡大し、安定しようとする働きが必要な場面もあるわけです。

 

 

そう考えますと、

扁平回内足 = 悪い という思考になるでしょうか?

 

 

これは、機能的変形という良い形状変化なので、肯定的に捉える必要があります。

 

もちろん扁平回内足が悪い影響を及ぼしているケースもあるため、全てが肯定的な評価ではないのですが、逆にアーチ破綻には、肯定的な考え方もあるという選択肢もあるということが重要です。

 

次に足の形状変化、アーチ構造と荷重点位置についてお話します。

 

足の形は容易に変化させることができます。

つまりこれは、アーチを高くしたり低くしたりすることが随意的にできます。

具体的な方法としては、足底圧の荷重点を移動させることです。

 

足底圧という言葉が聞き慣れない方は、荷重時に足の裏の中で、荷重がどのように分布しているかを示す用語となります。

この中で私は、最も圧が集中している位置を荷重点位置と呼んでいます。

 

荷重点位置が足底の外側(小趾側)にあれば、

足は硬い状態となり、内側アーチが高くなります。

 

逆に足底の内側(母趾側)にあれば、

足は柔らかい状態となり、内側のアーチは低くなります。

 

このように足は荷重点位置の変化によって、ハイアーチやローアーチなどを容易に作り出すことができます。

 

優れた足は、この荷重点位置を自由自在に操り、姿勢保持も同時に安定させうる機能を有しています。

 

理学療法士 山口剛司


足部のみかたシリーズは『足部』からご覧いただけます

 

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