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リハビリ職種なら絶対に抑えておきたい!【足部の機能3】

足部

2019.09.06

巧みな形態変化

足部は唯一地面に接地する部位として、固定性と可動性 が 要求される特殊な部位です。 時に柔軟に時に強固にその形態を変え身体の土台として役割を果たしています。
人間は無意識のうちに状況に応じて 足部の形態を変化させて直立二足歩行を実現しています。 これは二足歩行を生成するため適応的に進化してきた 結果 と考えられています。

人間の足部の骨格は26 の骨と 33 の関節からなり、生体力学的に極めて優れた構造をしています。 可動の範囲は 他関節に比べ 大 きいものではありませんが、 自由度 が 高い部位であるという事 はご存知の通りです。


前回コラムで紹介した様に歩行立脚相での 後足部回内外の切り替えが 【 足部の巧みな形態変化 】 の 代表的な例で 距骨下関節の回外は足部の剛性を高め、固定性を有利にし、回内は可動性を有利にし ま す。フェーズ に応じた形態変化が効率的な歩行を実現させているのです。
また岩場などの不整地 で立位姿勢を保持するとき、 地面との接触点を増やすために 足部形状を変化させ、姿勢をコントロールしています。 床面の状況に左右されるばかりではなく、 足部が床面に固定された 状況では 、下肢を最大外旋させたとき下降性の運動連鎖で後足部は回外位 となりますが、中足部より遠位は不随意的な回内で、足部と床面

との接地を維持するように作用します。

しかし、見落としていけないのは【巧みな足部形態の変化】が臨床上、時に問題を複雑化 さ せ ている事です。 冒頭で記したように進化の過程で人間は現在の足部形態を獲得しました。結果、直立二足歩行は足部に複雑な機能を要求し、足部形態が特殊な構造をしているがために常に破綻の危険と隣り合わせにいることを忘れてはなりません。

例えば、内反型膝OA の症例の場合、膝内反による膝関節の外方偏移、脛骨の外方傾斜は通常であれば、足部は回外、荷重点は小趾側に位置していることが一般的ですが、内反型膝 OA 症例の場合代償的に足部を回内させ、荷重点を母趾側に位置させていることが珍しくありません。足部に限ったことではありませんが、
複雑な構造 と高い自由度は時に問題を複雑化させることがあるのです。

次回は a nkle strategy に つい て で す。

 

参考文献:
山嵜 勉 1997 整形外科理学療法 の 理論 と 技術
D onald A.Neumann 2005 筋骨格系 の キネシオロジー

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