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これからの療法士が考える視点Vol.7 ~リハビリテーションにおける再現性②~

その他

2020.07.09

 

前回書いた再現性に関するコラムでは、結論から言うと

「リハビリテーションは非再現性の視点も重要」ということでした。

 

前回のコラムはコチラ

 

担当していた腰椎圧迫骨折の方で、

「一昨日まで痛くて昨日は少しマシでした、今日はまた調子が悪くて痛いです」

という方がいました。

 

これをどう解釈するでしょうか。

 

もちろん、
・受傷機転はなにか
・骨粗鬆症はあるか
・画像所見
・神経に絞扼はあるか
・特に腎臓など内科的疾患はあるか
・コルセットはいつどのように処方されたか
・入院中のリハビリテーションだけではなく、

 処置含めてどのような経過をたどったか
・疼痛部位は骨折したところか
・急性期から回復期転院時の状態は
・血液データはどうか
・併存疾患や既往歴は

 

このあたりの医学的情報はまず大前提です。

 

医学的情報から得られることは非常に多いですので、その一つ一つを理解することは確実に有用です。

 

そしてリハビリテーション職種として重要なのはまさにここからです。

 

・上記医学的情報から予想する医学的予後はもちろんのこと

・医学的情報から推測する受傷前生活像
・医学的情報から推測する今後の生活像
・趣味
・生活における優先順位の整理
・Hope

 

一言でいうとICF視点が重要です、ということになります。

 

そして最も重要なのは

 

「ひととして見ているかどうか」

 

です。

 

医学的情報は時に情報量の多さからなのか、数値を追ってしまうことがあります。

再現性の高い評価や治療法を選択するうえで、数値的判断は絶対に必要です。

しかし、それを追いすぎるあまり、「ひととして見ているかどうか」という大前提をどこかに置いてくることがあります

(恥ずかしながら私も経験があります)。

 

「一昨日まで痛くて昨日は少しマシでした、今日はまた調子が悪くて痛いです」

 

というものを医学的に、リハビリテーション的にどう読み取るかはとても重要です。

 

しかし繰り返しになりますが
「ひととして見た」時に少しでも視点が変わるのではないか、と思うわけです。

 

「科学的」という言葉に多くの人は惑わされます。

しかし、「科学哲学」という学問は科学が絶対ではなく限界があることを問う学問です。

 

統計学には「漸近的」という言葉があります。

 

徐々に近づいていく、というような意味ですが、到達することもない、という不思議な言葉です。

 

科学というのは「漸近的」な学問です。

 

私のリハビリテーションの世界も「漸近的」な医学と「哲学的」な反証能力の両者が求められると私は思います。

 

 

引用文献:岡部 晋典,佐藤 翔,逸村 裕 Budapest Open Access Initiative の思想的背景とその受容 情報知識学会誌 09171436 情報知識学会 2011-09-27 21 3 333-349 https://ci.nii.ac.jp/naid/10029478981/ 10.2964/jsik.21-032

 


理学療法士 森本義朗

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